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【セルフケア会話術】考え方と行動のセルフケア入門 その4

心が辛い時のカウンセリングルーム セルフケア

「人との関わりは、ときに負担にもなりますが、安心の源にもなります。」

人とのやり取りで「もっと上手に伝えられたら…」と思ったことはありませんか。もしコミュニケーションにセルフケアの視点を取り入れられたら、関係はどんなふうに変わるでしょうか。

 なぜコミュニケーションがセルフケアになるのか

人とのやり取りは、心の安定に大きな影響を与えます。伝え方や受け止め方を整えることで、安心感や信頼感が育ちます。そして、自分を守る境界線(バウンダリー)を意識することは、心を守るセルフケアの一部でもあります。 

具体的なセルフケアの方法


1.アサーション(自己主張)の練習

自分の意見を伝えることは、相手を攻撃することでも、ワガママを言うことでもありません。「私はこう感じている」「私はこうしたい」という、自分の心の声を大切に扱う作業です。

コツは、主語を「あなた」から「私(I message)」に変えてみること。「(あなたが)なんで〇〇してくれないの?」と相手を責める代わりに、「(私は)〇〇してもらえると安心する」と伝えてみます。

自分の気持ちを飲み込まず、かといって感情的にもならず、丁寧に言葉にしてあげること。それは、自分自身に対する一番の誠実さの表れです。

アサーションは、自分の意見や感情を「私はこう感じています」と率直に伝えるコミュニケーション方法です。攻撃的でも受け身でもなく、誠実で安心できる表現を目指します。

2.境界線(バウンダリー)の設定  

「ここから先は無理」と自分の限界を伝えること。体調が悪い時に「今日は短時間だけ参加します」と言うのも立派なセルフケアです。

「断ったら嫌われるかも」という不安から、無理な頼み事を引き受けてしまったことはありませんか?でも、無理を重ねることは、やがて相手への「苦手意識」や「怒り」に変わってしまいます。

境界線を引くことは、相手を拒絶する壁を作ることではありません。「あなたとは長く良い関係でいたいから、今はこれ以上できません」という、関係を守るためのフェンスです。

「今日は疲れているから、また今度ね」。そうやって自分の限界(NO)を伝えることは、自分を守るだけでなく、結果として二人の関係を長続きさせる「優しさ」です。

3.傾聴と共感  

相手の言葉を遮らずに聞き、「そう感じたんですね」と共感を返すことで、安心感が広がります。

誰かの相談を受けるとき、「何かいいアドバイスをしなきゃ」「解決してあげなきゃ」と力んで疲れてしまうことはありませんか?

実は、コミュニケーションにおいて最も癒しになるのは「解決策」ではなく「共感」です。

「そうだったんだね」「それは辛かったね」と、相手の気持ちをそのまま受け止めるだけで十分です。

アドバイスを手放し、ただ相手の心に寄り添うこと。それは、相手に安心感を与えるだけでなく、「私がなんとかしなきゃ」というプレッシャーから、あなた自身を解放するセルフケアにもなります。

4.感謝の言葉を積み重ねる  

「ありがとう」を日常に散りばめることで、関係性が温かくなります。

「ありがとう」は、言われた相手はもちろん、言った本人の心も温かくする魔法の言葉です。感謝を探そうと意識すると、私たちの脳は自然と相手の「良いところ」や、日常の「あるもの」に目を向けるようになります。

特別なことをしてもらった時だけではありません。「話を聞いてくれてありがとう」「いつも通りでいてくれてありがとう」。

ささやかな感謝を言葉にして積み重ねていくことは、人間関係に温かい貯金をしていくようなもの。その温かさは、巡り巡ってきっとあなたの心を支えるお守りになりますよ。

まとめ

今までの 第1回~第3回までの下記

認知再構成 は考え方を柔らかくする練習。
行動の変容 は生活の一歩を整える練習。
セルフケアの小道具 は環境を支える工夫、でした。

そして今回の コミュニケーションのセルフケアは、人との関わりを安心にする練習です。これらを組み合わせることで、心の安定はより確かなものになりますよ。

コミュニケーションのスキルを磨くことは、誰かをコントロールするためではなく「自分自身が安心して人と関わるため」のもの。

今日の会話から、ほんの少しだけ「自分への優しさ(セルフケア)」を混ぜてみませんか?

次は最終章の 第5回 まとめと日常生活への応用 に続きます。