誰かに声をかけたいと思った時、言葉が見つからないことってありますよね。励まそうと思っても、うまく言葉にできず、かえって相手の心を傷つけることを言ってしまうこともある。
言葉って気持ちを伝えようとしても、思わぬ方向に受け取られてしまったりすることもありますし、また、その本意が伝わったとしても、言葉選びがあまりにも悪ければ、信頼関係が壊れてしまったりすることもあります。
私もきっと言葉選びを失敗したことは、人生において多々あったと思います。こういうのって意外と自分は気づかないものですから。
そして反対に、私も相手の方が 私を励まそうとして発した言葉だと分かっていながらも、心底 心に傷を負った事があります。その言葉を聞いたときの私の感情は、「私の状況を知らない中、コメントは要らなかったよ😭😭..」でした。
そう…。同じ場所で同じものを見た訳ではないのなら、話し相手が経験したことは、全く他人には分からないのです。なのに話を聴いて自分が思い描いたイメージで、助言してしまう事にはリスクがある。
私の ”先の経験”では、話し相手の方は、私に言ってしまった後、大変後悔したそうです。でも、時すでに遅し。既に私は、聞いてしまった訳ですから。
カウンセリングの技術
カウンセリングの場でも、何を言えばよいか分からない時には、「無理に言葉を探さなくてもいい。黙っていることも相手への思いやりになる」と教わります。
大切なのは、相手を思う心がそこにあること。言葉がなくても、その想いは伝わる。余計なことを言ってしまう位なら、何も言わない方が良いこともあります。
非言語メッセージとは
というのも、人と人との会話には、言葉による会話だけでなく、非言語によるメッセージがあるからです。非言語メッセージとは、言葉以外の方法で伝わる気持ちのことです。
- 表情やうなずき
- そっと寄り添う姿勢
- 相手の呼吸に合わせた間の取り方
- そして沈黙そのもの
これらはすべて「あなたを大切に思っています」というサインになり得ます。言葉に頼らなくても、相手は安心や共感を感じ取ることができるのです。
非言語が伝わる瞬間
例えば、言葉を使わなくても、相手に「あなたを大切に思っています」と伝わる場面はどういうものかというと。
- 静かに隣に座る
落ち込んでいる人の隣に、何も言わずに座るだけで「一人じゃない」という安心感が生まれます。 - 呼吸や間を合わせる
相手が話すスピードや呼吸に合わせてうなずいたり、沈黙を共有することで「あなたの気持ちを受け止めています」という共感が伝わります。 - 小さな仕草
温かいお茶を差し出す、軽く肩に触れる、目を合わせて微笑む。これらは言葉以上に「気にかけているよ」というメッセージになります。 - 安心の沈黙
無理に励まそうとせず、ただ静かに一緒にいる。その沈黙は「あなたの気持ちを尊重しています」というサインになることがあります。
私自身も、例えば家族が悩んでいる時などに、そっと肩に手を触れたり、肩をそっとさすったり、そんな事もします。
こうした瞬間は、相手の心に「理解されている」「受け入れられている」という感覚を届けます。言葉に出来なくとも、非言語のメッセージが言葉以上に気持ちを届け、相手の心に深く響くことがあることを、誰しも感じたことはあるのではないでしょうか。。
非言語メッセージの難しさと限界
しかし、非言語のメッセージはとても力強いものですが、同時に難しさもあることは事実です。
- 受け取り方の違い
沈黙を「安心」と感じる人もいれば、「何も言ってくれない」と不安になる人もいます。非言語は相手の感受性に左右されるため、必ずしも意図通りに伝わるとは限りません。 - 関係性の影響
相手との信頼関係があるかどうかで、非言語の伝わり方は大きく変わります。信頼があると沈黙も安心に変わりますが、信頼が薄いと逆に距離を感じさせてしまうこともあります。 - 自分の心の状態
自分が焦っていたり不安定な時は、非言語のメッセージもぎこちなくなりがちです。落ち着いた呼吸や姿勢があってこそ、相手に安心を届けられるものです。
だからこそ、非言語を届ける時に大切なのは「相手を思う心」が根底にあることが大事。それがあれば、完璧に伝わらなくても、その気持ちは必ずどこかで相手に響いていきます。
必ずしも言葉にする事だけが相手を思いやる事ではなく、その場に一緒にいて共感している気持ちが、非言語メッセージとなり、その場の空気を変え、言葉よりも強いメッセージを届けます。
まとめ
言葉は大切な道具ですが「何か言わなきゃ」と焦っても、上手に気持ちを伝える事は難しい事が多々あります。でも非言語のメッセージも大きく伝わる、と分かっていれば、言葉よりも もっと共感を伝える事だって出来ます。
ただそっと寄り添うこと。うなずきや微笑み、静かな沈黙…。そんな仕草が、誰かにとって安心のサインになるかもしれません。言葉にできない時、また言葉を選べない時、でも大切な人を支えたいとき。無理に言葉を探さなくても大丈夫。非言語の力も信じてみるのもよいかもしれません。

